Electrical SPM Method

走査型拡がり抵抗顕微鏡法(SSRM)

Scanning Spreading Resistance Microscopy(SSRM)

断面形状観測から 2 次元広がり抵抗分布、キャリア濃度プロファイリングまで。
一本の導電性プローブが定義する、ナノスケール半導体解析手法です。

Measurement Principle

導電性ダイヤモンド探針による拡がり抵抗マッピング

SSRM は C‑AFM の一種であり、導電性のダイヤモンド探針を試料断面に高荷重でスキャンさせ、探針直下に生じる「拡がり抵抗(Spreading Resistance)」をマッピングする手法です。

拡がり抵抗 R は、局所的な抵抗率ρ と探針の接触半径 r に対しておおよそ R = ρ / 4r で表されます。この物理現象を利用し、試料断面を走査しながら電流値を対数増幅器(Log Amp)で変換することで、不純物の活性化状態に由来する抵抗率の差を、ナノスケールの濃度分布像として描き出します。

Technical Features

SSRM による半導体断面解析の 3 つの技術的特長

断面 2D 活性化不純物マッピング

SIMS のような元素量評価ではなく、実際にキャリアとして機能している「活性化不純物」の空間分布を可視化します。pn 接合深さ Xj や横方向の拡散プロファイルなど、実効的な電気境界の特定に有効です。

Log Amp による広ダイナミックレンジ

対数増幅器(Log Amp)を用いることで、数桁にわたる抵抗変化を一回のスキャンで一括計測可能です。低濃度から高濃度まで、複雑な濃度勾配を有する最先端デバイスの評価にも対応します。

ダイヤモンドプローブによる確実なナノコンタクト

硬質なダイヤモンドコーティング探針を用い、高い触圧で自然酸化膜を貫通。プローブ直下に良好なオーミックライクなナノコンタクトを形成することで、ナノスケールでの精緻な拡がり抵抗計測を実現します。

Metrix SSRM Strengths

世界トップレベルの空間分解能と 30 余年の SSRM 解析ノウハウ

Metrix では、世界トップレベルの空間分解能を有する SSRM 装置と、30 余年にわたる半導体・新材料解析の経験を組み合わせ、設計から量産・故障解析に至るまで、各フェーズで断面キャリア分布の可視化を支援します。

世界トップレベルの 2D 空間分解能

活性化不純物評価が可能な SCM(走査型容量顕微鏡)と比較しても高い空間分解能を有し、
微細化の進んだ pn 接合やトレンチ構造においても、シャープな拡散境界をマッピングできます。


解析事例・TCAD との比較データを見る

標準試料による定量性とトレーサビリティ

市販標準試料に加え、独自標準試料を用いたキャリブレーションにより、SSRM 信号とキャリア濃度との関係を検証しています。構造設計やキャリブレーション設計を通じて、データの信頼性向上に努めています。


標準試料データとの対応例を見る

30 余年の経験に基づく各フェーズ解析支援

単なる測定結果の提示に留まらず、デバイス物理の視点と長年の経験に基づく解析手法を提案し、「なぜこの分布なのか」を解釈します。設計段階、プロセス条件チューニング、量産歩留まり改善、故障解析など、各フェーズをトータルにサポートします。

SSRM による代表的な解析事例

ドーピング手法による拡散層キャリア分布の比較

プラズマドーピングとビームライン(イオン注入)ドーピングとで、拡散層のキャリア分布およびプロファイルの違いを SSRM で比較評価します。実効的な活性化率とドーピング条件最適化に役立ちます。

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パワーデバイス故障と拡散層分布の相関(SiC / GaN)

トレンチ近傍やエッジターミネーション部における活性化キャリア分布を SSRM で可視化し、SiC / GaN パワーデバイスの故障起点との相関を解析します。

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ロジックデバイス(SRAM)故障解析

pn 接合拡散異常やチャネル形成不良を SSRM により検出し、デバイス特性不良の真因特定に結び付けます。従来の 1D プロファイルでは見えない局所異常を抽出できます。

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SSRM 解析応用:幅広い製品群・新材料への展開

幅広い製品群・新材料への適用

先端メモリ、ロジック、センサー、光電デバイス、パワーデバイスに加え、電池材料、グラフェンを代表とする 2D 材料、ナノカーボン材料、SiC、GaN、ダイヤモンドなどワイドバンドギャップ材料への応用も進めています。

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Why SSRM?

他手法との補完関係と SSRM の位置づけ

最先端デバイスの不具合解析において、SSRM は既存手法の限界を補完する不可欠なツールになりつつあります。
SIMS、SRP、SCM などの手法と組み合わせることで、不純物濃度と活性化状態の両面から総合的な理解を目指します。

手法 評価対象 次元 特徴と Metrix の視点
SSRM 活性化不純物 2D 世界トップレベルの空間分解能で、2 次元の活性化不純物プロファイルを鮮明に可視化します。
SCM より高分解能で、pn 接合やトレンチ近傍の微細構造評価に有効です。
SRP 活性化不純物 1D 伝統的な拡がり抵抗測定であり、主に 1D プロファイル評価に用いられます。
SSRM は SRP をナノスケール 2D へ拡張した手法として位置づけられ、微細領域への適用を追求します。
SIMS 全不純物イオン 1D 元素の総量評価には最適ですが、活性化しているかどうかはわかりません。
SSRM と組み合わせることで、不純物の活性化率評価やプロセス健全性の検証に寄与します。
SCM 活性化不純物 2D 2 次元評価が可能な一方、空間分解能や定量性に課題があります。
SSRM による高解像度・高ダイナミックレンジマッピングで、より正確な構造把握をサポートします。
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