東芝レビュー Vol.66 No.6(2011)に掲載された本稿では、LSIデバイスの微細化に伴って重要性が高まる2次元キャリア分布計測について、走査型広がり抵抗顕微鏡(SSRM)を実回路の故障解析へ応用した事例が紹介されています。
論文では、特定箇所の極薄断面試料を作製する技術と高分解能SSRMを組み合わせることで、SRAMデバイス内部のキャリア分布を直接観察し、不良モードの原因解明やプロセス改善につなげた内容が整理されています。
概要
特定箇所SSRMにより、60 nm未満の極薄SRAMデバイス断面におけるpn接合や異常拡散を可視化し、製造プロセスに起因する不良メカニズムの解析に活用した事例です。
技術ポイント
本論文では、微細LSIデバイスの故障解析に必要となる、特定箇所の試料作製とナノスケール2次元キャリア分布評価の組み合わせが解説されています。
- 走査型広がり抵抗顕微鏡(SSRM)を用いて、デバイス断面における拡散層キャリア分布を2次元的に評価していること
- FIB-PU法により、実回路中の特定箇所から60 nm未満の極薄断面試料を作製し、SRAM不良ビットの解析に適用していること
- 正常ビットでは、pMOSとnMOS間のpn接合が高抵抗領域として観察され、極薄試料においてもpn接合の可視化が可能であることが示されていること
- 不良ビットでは、nMOS側のリン(P)ドーパントがpMOSゲート底部へ異常拡散している可能性が示され、不良モードのメカニズム解明につながっていること
- STI形状やドーピングマスク位置などのプロセス条件を見直すことで、異常拡散の抑制と歩留まり改善につなげていること
評価内容・活用例
この事例は、微細半導体デバイスにおける局所的なキャリア分布、pn接合位置、空乏層、ドーパント異常拡散などを、故障解析やプロセス改善の観点から評価するうえで参考になります。
特に、TEMやSEMなどの構造観察だけでは把握しにくい電気的な不均一性を、SSRMにより断面方向の抵抗・キャリア分布として評価できる点が重要です。
ご相談事項
SRAM、CMOS、微細トランジスタなどにおける局所キャリア分布、pn接合、ドーパント分布、故障モード解析に関する評価ニーズがございましたら、対象試料や解析目的に応じた測定条件をご提案いたします。
論文情報
- 文献タイトル
- 特定箇所2次元キャリア分布計測技術と故障解析への応用
- 著者
- 張 利、小池 三夫、原 啓良
- 掲載誌
- 東芝レビュー Vol.66, No.6, pp.32–35(2011)
- 関連技術
- SSRM、2Dキャリアプロファイリング、SRAM故障解析、FIB-PU法
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