東芝レビュー Vol.63 No.2(2008)に掲載された本稿では、LSIデバイスの微細化に伴って重要性が高まる不純物キャリア分布の2次元計測について、走査型広がり抵抗顕微鏡(SSRM)の高分解能化に関する技術が紹介されています。
記事では、従来のSSRMで課題となっていた空間分解能を改善するため、真空中での測定、プローブと試料間の接触条件、測定回路全体の最適化などに取り組み、1 nmレベルの高空間分解能を実現した内容が説明されています。
概要
真空中SSRM測定と接触条件・測定回路の最適化により、45 nm以降世代のLSIプロセス開発に必要なナノスケール不純物解析を可能にした技術紹介です。
技術ポイント
本記事では、LSIデバイスの微細化に伴い、接合位置やキャリア分布のわずかなずれがデバイス特性に影響することを背景に、SSRMによる高分解能評価の重要性が説明されています。
- LSIデバイス断面に導電性プローブを当て、得られる2次元電流分布像からキャリア分布を評価するSSRMの測定原理が紹介されていること
- 従来約5 nmにとどまっていた空間分解能では45 nm以降世代の解析に不十分であるという課題が示されていること
- 真空中でのSSRM測定により、水蒸気や吸着物などの影響を抑制し、プローブと試料間の接触状態を改善していること
- プローブ接触圧力の最適化や測定回路の寄生抵抗低減により、1 nmレベルの高空間分解能を達成したと説明されていること
- 45 nm世代トランジスタのSSRM像において、NiSi、ポリSi、SDE領域、Halo不純物領域などを識別し、10 nmのSDE接合深さを再現性よく評価していること
評価内容・活用例
この技術は、45 nm以降世代のLSIプロセス開発において、極浅pn接合、SDE領域、Halo不純物分布などを高分解能で評価するための手法として紹介されています。
また、正常デバイスと特性劣化デバイスの比較により、Halo不純物領域の抵抗値差とデバイス特性劣化との相関が示されており、プロセス条件や材料設計の検討に役立つ解析手法として位置づけられます。
ご相談事項
極浅接合、SDE、Halo不純物分布、微細トランジスタの局所抵抗分布など、ナノスケール電気特性評価に関するご相談を承っております。評価目的や試料構造に応じて、SSRMを含む最適な測定方法をご提案いたします。
論文情報
- 文献タイトル
- 世界最高の空間分解能1 nmを実現する不純物解析技術
- 著者
- 張 利
- 掲載誌
- 東芝レビュー Vol.63, No.2, pp.76–77(2008)
- 関連技術
- SSRM、不純物解析、LSIプロセス開発、Halo不純物、SDE接合
- 関連リンク
- PDFを見る